組合員活動報告

平和学習企画~奈良教育大学戦争遺構ツアー

■開催日:2025年10月21日 
■場 所:奈良教育大学構内
■主 催:理事会(福祉ミーティング)

1910年~1945年までの35年間、現在の奈良教育大学がある場所にあった奈良聯隊(れんたい)について、吉川好胤さん(元奈良教育大学附属中学校教員)に案内していただき、構内の遺構をめぐりました。

吉川さんは、現在88歳。この取り組みを始めて33年になります。きっかけは1992年、当時教えていた中2の子どもたちと奈良県下の戦争遺跡の調査を行い、生き証人の話を聞いて報告するという取り組みをしたことからだそうです。


奈良聯隊の敷地は、南北に350m、奥行(東西)約410m、4500坪(15万㎡)ありました。以前は水田だったとのこと。資料を手にし、地図を見ながら遺構の位置を一つずつ確認してお話を聞きました。ここには2,000~4,000人の兵隊さんがいたそうです。弾薬庫のレンガはイギリス式という積み方になっていて、それが陸軍の施設の特徴であることや、当時敷地の周囲には土堤があり、鋭いトゲのあるカラタチの木が植えられ出入りできないようになっていたことなど、場所ごとにどのような施設があったのかを教えてもらいました。

みなさんの質問に答えてくださったりしながら、お話を聞いて構内を歩いていると、1人1人の兵隊さんたちがここで訓練を受け、生活し、そして戦地に向かって行ったのだということが事実として迫ってきて、歴史を知ること、考えることの大切さを実感することになりました。知ろうとしていないだけだったことが体感として受けとめられ、これは過去のことではなくずっとつながっている歴史の事実であるのだということを、深く考えなければならないと思いました。
 
参加者アンケートには「知らないことが多く勉強になりました」「ほんとうによくわかる解説でした」「歩きながら詳しく見られて、説明がなければ気づかないことをたくさんおしえてもらいました」などの感想があり、深い学びの日となりました。