お知らせ
理事研修2025報告
2026.3.9
2025年11月10日&12月2日、理事研修として和歌山県を訪問しました。全6回に分けて報告します。
1.ソーシャルファームもぎたて
ソーシャルファームもぎたては、 「自然派Styleおこめのサクちゃん(みるく味)」の生産者。障がいのある方が働くA型事業所を運営しており、加工部門で、 「おこめのサクちゃん」を製造しています。「持続可能な農業」を理念の一つに掲げていることから、原料に有機転換中の農家のお米を使って下さっています。
「自然派Styleおこめのサクちゃん(みるく味)」の工場を見学
実際の作業現場を見せてもらいました。生米を15%まで加水させ、機械に入れて加圧すると、膨化してパフ状に。これをカットして味付け、袋詰めしたら完成です。パフ状にしたものを粉砕するとアルファー化米粉になります。高生連のふっくら米粉はこちらのアルファー化米粉を使用して作っているそうです。 α化した米粉は、加熱済なのでお湯を入れるとすぐにお粥状になり、離乳食や介護食に喜ばれているそうで、「FirstSpoon(赤ちゃんの最初の一口)からLastOneSpoon(死ぬ間際の最後の一口)まで」食べてもらえるというキャッチコピーに感動しました。
「おこめのサクちゃん」にみるく味を付ける場合は、釜に入れ、手作業でみるくを入れていき、乾燥して袋詰めをしていきます。当初「おこめのサクちゃん」のキャラメル味を作ろうとしていましたが、グルテンフリーの加工場でなので小麦粉を含む原材料の持ち込みができないこと、かつコープ自然派の基準もあり、あまり高額商品にもできないなどの理由で今の味に落ち着いたと聞き、納得。現在他の味も開発中とのことで、何のフレーバーになるのか、商品化が楽しみです。
また、原料へのこだわりもききました。市販のパフ菓子の原料は、輸入のコーングリッツが中心であり、コーングリッツに使われるとうもろこしは遺伝子組み換えなどの恐れがあります。 「おこめのサクちゃん」には、日本のお米をもっと活用していきたい、日本のお米でスナック菓子を作りたいという思いも込められています。 「日本の持続可能な農業とは何かを考えたとき、お米が日本の農業の基礎なので、お米の農家を間接的に応援したい。わざわざ海外から費用やコストをかけて安全性の分からないとうもろこしを輸入するのではなく、日本の足元にあるお米を大事にしたい」と、地元の農家さんとのつながりも大切にされています。
チャレンジ精神で誰もが安心して働ける職場を
ソーシャルファームもぎたてで一番印象的だったのは、代表中原さんのチャレンジ精神です。社会的企業「紀の川×農業×障碍者雇用」を立ち上げ、「働きたいと望む全ての人が働けること」を理念に、働いている一人ひとりを大切に、自分の得意なところで働ける安心な環境をつくっています。
A型事業所は、働く方が夫婦ともに障がい当事者である場合や、一般就労になじめないなど、支援の必要な方の受け皿としてニーズがあるけれど、最低賃金を保障しながら運営していく大変さもあるとのこと。本来社会から全力で応援されて良いはずの価値ある事業だと思いましたが、なかなか社会の仕組みや配慮がこのような現場に行き届いていないようで、残念さを感じました。それでも、それぞれの尊厳を大切に、働きがいのある職場を目指していこうという思いや、現場の声を取り入れ、米粉をお粥にして介護食に活用するなど、新しいことにチャレンジしていく姿勢は素晴らしく、私たちがこれから目指す福祉ビジョンとも重なるものがあると、共感を覚えました。
平和と福祉の関係は深い
話は平和への思いにも。日本では長らく優生保護法という法律で、障がい者は子どもを持つ権利や産む権利を奪われてきました。ナチスドイツでは、T4作戦で障害のある人が大量に殺されました。戦争が起きると障害のある人は排除されます。「平和でなければ福祉は成り立たない」の言葉が印象的でした。国連は30年も前から「障がい者を締め出す社会は弱くて脆い」と言っています。「生産性や効率性に走りすぎたり、武力だけに頼るような社会に向かっているとすれば、逆に社会の脆さをつくっているような気がします」というお話に、障害と福祉、平和についての関わりをさらに感じ、これからコープ自然派が進めようとしている福祉の参考に活かせるといいなと思いました。
「自然派Styleおこめのサクちゃん(みるく味)」の製造工程の詳しくはこちらから






